SNSで炎上するいじめ問題を保健医療の視点から考える② いじめ加害者をネットで叩くだけで、問題は解決するのか

いじめ問題がSNSで炎上すると、

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加害者とされた子どもは、実名や顔写真、学校名までさらされ、

激しいバッシングにさらされることがある。

怒りが湧くのは自然なことだ。

いじめは、ときに命を奪う行為であり、決して許されない。

被害者の苦しみは、常に最優先で守られるべきだ。

その前提に立ったうえで、

「叩くこと」だけで、問題は本当に解決するのか。

あとは、学校や教育委員会に任せれば、全てうまく解決するのだろうか。

炎上の中でさらされる「加害者の子ども」

すべての加害者に当てはまるわけではないが、

保健医療や対人支援の現場では、

いじめの加害に関わる子どもたちに、ある共通点を見ることが多い。

・自己肯定感が低い

・心が安定していない

・感情がうまく整理できない

・レジリエンス(立ち直る力)が弱い

心が満たされていない状態で、

自分の内側にある苛立ちや不安を処理できず、

それが他者への攻撃として表に出てしまう。

だからといって、行為が許されるわけではない。

ただ、「なぜ起きたのか」を理解しなければ、

同じことは繰り返される。

バッシングだけで、子どもは立ち直れるのか

SNSでの激しい非難は、

大人でさえ心を壊すほどの威力を持つ。

まして、

自己肯定感が低く、

感情の整理が未熟な子どもが、

その矢面に立たされたらどうなるだろう。

恐怖や自己否定が強まり、

「自分は価値のない存在だ」という感覚だけが残る。

それは反省ではなく、

さらなる心の崩壊や社会や周囲の者への攻撃につながることが多い。

反省と立ち直りが、再発を防ぐ

再発防止や更生を考えるなら、

叩くだけでは足りない。

必要なのは、

・気持ちを理解する大人

・専門的なカウンセリング

・安全に立ち直るための支え

問題を「次に起こさない」ための関わりだ。

被害者の心を守る力は、幼少期からの親や大人の愛情、これからの大人の関わり方で育てられる

一方で、被害者側にも忘れてはならない視点がある。

もし、いじめを受けた場合、

幼少期から

・大人との安定した関係

・安心してSOSを出せる経験

・感情を受け止めてもらった記憶

こうした関わりがあると、

傷ついたときでも助けを求めたり、心を回復させることに役立つ。

心を回復させる力――

レジリエンスだ。

いじめという絶対に許されない行為を受け、傷ついたとしても、傷が深くならないように、また、その傷を早く癒す力があった方がもちろん良い。

この時に私たち大人が忘れてはいけないことがある。

子どもたちが、SOSを出したとき、

大人が必ず助ける。

大人が子どもを守る行動をとらなければ、

勇気を振り絞り、必死の想いと期待する気持ちが、

「どうせ誰も助けてくれない」という諦めと絶望に変わる。

いじめに向き合う責任は、大人にある

いじめを防ぐこと、

起きてしまったときに対応すること、

傷ついた心を回復させること。

その責任は、

子どもではなく、大人側にある。

親、学校、地域、社会。

大人が正しい知識を持ち、

感情論だけでなく、子どもの心を理解して関わる。

それが、

被害者を守り、

加害者を立ち直らせ、

次の被害者を生まない唯一の道だ。

私たち大人は、

子どもを本当に守れる社会を、

作れているだろうか。

作っていかなければならない。

最後に

次のブログでは、大人が今すぐできる、いじめへの具体的な関わり方について書きたい。


※本記事は、いじめ行為を正当化するものではありません。

被害者の苦しみを最優先で守る立場に立っています。

同時に、再発防止と回復のためには、

子どもの心の背景と、大人の関わりを考えることが不可欠だと考えています。

〈プロフィール〉

葉っぱたぬき 50歳

保健医療分野に携わってきた専門職。

このブログでは、SNSの炎上や社会問題を、

感情論ではなく、専門的視点から冷静に考えることを目的としている。

誰かを断罪するためではなく、

大人が知るべきこと、考えるべきことを言葉にしていきたい。

※特定の個人・事例を批判、擁護する意図はありません。